真夏の夜の響きに、サックスの音色は欠かせない。
筆者は若かりし頃、チャーリーパーカーやコルトレーンをよく聴いたのだが、
現在は、スムースジャズのサックスに癒されている。
中でも、夜の響きにピッタリのアーティストは、
ユージュ・グルーブとボニー・ジェームスだ。
この二人は、スムースジャズ界を代表するプレーヤーになった。
お洒落で、センス抜群のサックスプレーヤーたちである。
そこで今回は、「夜の響き」をキーワードに、
二人の曲とアルバムを紹介しながら、
その音色に紐づく心模様を思いつくままに綴ってみたいと思う。
恋人たちの夜の響き
ユージュ・グルーブが2000年にリリースしたアルバム
「Euge Groove」
のオープニング曲、
「Romeo & Juliet」
は、恋人と二人きりで過ごす真夏の夜にピッタリの曲だ。
もちろん、ウィリアム・シェークスピアの戯曲
「ロミオとジュリエット」
にインスパイアされた曲であることは想像に難くない。
ぜひ、心を許したパートナーと、
肩を寄せ合いながら聴いてみてほしい。
ロマンティックな夜を演出するバックグラウンド・ミュージックにいかがだろう?
言葉はいらない。
何も語らなくても、お互いの気持ちが通じ合うこともある。
魅力的な音楽には、不思議とそうした力があるものだ。
他にも、2002年リリースアルバム「Play Date」から
3曲をピックアップしてみたい。
なお、Spotify のフリープランの場合、ここではさわりだけしか聴けないが、
Spotify アプリであれば、無料でフルバージョンがお楽しみいただける。
Spotify をまだ利用していない方がいらっしゃるなら、
ぜひこの機会に利用してみることをお勧めしたい。
一人きりの夜の響き
すっかり静まり返った深夜。
お気に入りのスコッチをオンザロックで飲みながら思考に耽る。
ゆったりと流れる時間に身を委ねるのが心地よい。
メインライトを落とし、
柔らかい間接照明に包まれた部屋には、
音量を落としたサックスの音色が響き渡る。
齢を重ねると、こんな風に
一人きりで過ごす時間が愛おしく感じる時もある。
そんな夜には、ボニー・ジェームスのサックスがしっくりくる。
ところで、ユージュ・グルーブにしろ、ボニー・ジェームスにしろ、
それぞれに独特のサックスの音色を奏でるのだから、実に見事としか言いようがない。
そして、この両者の卓越した音色は、決して聞き飽きることが無いのである。
さて、今回は、真夏の夜の響きにピッタリのサックス奏者を紹介してみた。
当然、二人の素晴らしい楽曲をすべて紹介することは出来ないのだが、
夜の響きの雰囲気は、なんとなく感じていただけたかと思う。
また、筆者の場合は、お酒が相棒となる時間帯だが、
軽めのアイスコーヒーという選択肢もある。
ただし、コーヒーを飲むと「眠れない」呪文にかかっている方はご用心あれ。