コーヒー豆のエイジングって必要?

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コーヒー豆のエイジングは必要なのか?

もちろん、焙煎したコーヒー豆の話である。

今回は、焙煎後のコーヒー豆のエイジングについて思うことを語りたいと思う。

そもそも焙煎後のコーヒー豆は、

新鮮さが求められる点から、生鮮食料品と言っても間違いには当たらないだろう。

もっとも、焙煎直後から酸化現象が始まるため、もとから長期保存が効く食品ではない。

この酸化現象は、

一定のスウィートゾーン期間内であれば、コーヒーを味わい深くするのだが、

その期限を過ぎてしまうとコーヒーフレーバー(=香味)を台無しにしてしまう。

また、スウィートゾーンの期間は、豆のままの状態と挽いた後の豆では違いがある。

常温・冷蔵・冷凍の保存温度によっても異なってくる。

さらに言えば、浅煎や深煎などの焼き加減によっても違いがあり、

豆の産地による違いもあるのだ。

焙煎後のコーヒー豆は、非常にセンシティブなため、

うまく付き合うには、それなりの気配りが必要となる。

コーヒー豆とエイジング
豆の状態で購入するのがベスト

豆の状態と挽いた後の豆では、豆のままの方がスウィートゾーンの期間は長くなる。

それは単純に、挽いた豆の方が、空気に触れる表面積が大きくなるからである。

空気に触れることで、酸化現象は進行するのだ。

したがって、コーヒーは、豆のままの状態で購入するのがベストである。

コーヒーを淹れる度に、ひと手間をかけることにはなるが、

新鮮な状態を少しでも長く保ちたいのであれば、その手間を惜しむべきではない。

焙煎後1カ月以内がベスト

では、そのスウィートゾーンの期間は何日くらいなのだろうか?

美味しいコーヒーを味わいたいたければ、その点をはっきり認識しておく必要がある。

良心的な焙煎店であれば、

「焙煎日から1カ月以内にお召し上がりください」と謳っているケースが多い。

安心して客に伝えられる期限が1カ月ということなのだろう。

この期限には、私も同意する。

少なくとも、焙煎後1カ月という期限を切った上で、

焙煎日を告知している店で購入するならば、美味しいコーヒー豆と出会う確率は格段に高まるだろう。

新鮮さを強調する店は、美味しさへのこだわりが強いことを言葉を替えてアピールしているのだ。

一日の消費量を把握する

さて、それでは焙煎日から何日目までの豆なら買ってもよいのだろうか?

難しく考える必要はない。

普段一日で消費する豆量さえ把握していれば、焙煎日を頼りに安心して必要量を購入できる。

 ・美味しく飲める期限が30日

 ・焙煎日からの経過日数

 ・一日の消費量

この3点から導き出される量で購入する限り、スウィートゾーンは決して外さない。

とは言え、どうせ買うのであれば焙煎直後の豆を購入したい。

理由は、時間の経過と共に、味わいの変化を愉しめるからである。

信頼する焙煎士が、ローストしたお気に入りの豆。

その豆の一日ごとにスウィングするフレーバーが愉しめるのである。

なんとも贅沢な話ではないか。

コーヒー豆 エイジング カップとコーヒー
エイジングが必要とよく言われるが…

焙煎後、何日目が美味しいのか?

こうした話題の際に必ず登場するのが「エイジング」という言葉である。

コーヒー業界で言うエイジングとは、焙煎した豆を寝かせることを表す。

これは暗に、焙煎直後の豆は美味しさに欠けると言っているようにも受け取れる。

果たして、本当にそうなのか?

おそらくこれには答がない。

そもそも美味しさの感覚は人それぞれであるし、

一杯を手にした状況やその日の体調によっても感じ方は変化する。

アウトドアで焚火の火を囲み、

焙煎したての豆を皆と飲み交わせば格別に美味しく感じるものであるし、

体調を崩しているときに、

ベストの一杯を味わっても、その美味しさを感じられないこともある。

豆の産地別、

焙煎度合い別にエイジングを検討し、

スウィートスポットを知ろうとするのは、

コーヒーを提供する側の発想であって、消費する側の発想ではない。

そもそも豆を消費する側は、

エイジングをスウィートスポットで考える必要はなく、ゾーンでとらえればよいのだ。

そのゾーンの期間は焙煎後約1ヶ月。

これで充分だ。

エイジングそのものを愉しめばよいのである。

いずれにせよ、コーヒー豆は焙煎日のはっきりした新鮮なものを買い求めたい。