お気に入りの歌姫の曲をBGMで流しながらコーヒーを味わう。
もちろん、それだけでも贅沢な時間を過ごせるが、
心と時間に余裕があれば、そこに短編小説を添えてみるのもオツなものである。
場面にもよるが、
コーヒーブレークは、およそ15分から長くても30分辺りが相場だろう。
その束の間のリラックスタイムをお洒落に決めてみるのも悪くない。
コーヒーのお供にピッタリな歌姫は?
当然、人それぞれに好きな歌姫がいるだろう。
リラックスするには、好みの歌声を聴くのが一番だ。
したがって、ここでは筆者が好んで聴く歌姫を紹介してみたい。
シャーデー
スムースジャズ好きの筆者にとっての一人目の歌姫だ。
とは言っても、この「シャーデー」はバンド名である。
正確には、ヴォーカリストのシャーデー・アデュと紹介した方が良いだろう。
シャーデーは、’84年にファーストアルバムをリリースした英国のバンドである。
そして、筆者は、’85年にリリースされた2枚目のアルバム
Promise
によりその存在を知り、現在に至るまでお気に入りアーティストとしてフォローしている。
また、彼女のエキゾチックな歌声には、アイスコーヒーが実によく似合うのだ。
なお、このアルバムは全曲がお勧めである。
更に、初期の代表曲を集めたコンピレーションアルバムもお勧めだ。
もちろん、コンピレーション版だけに「素晴らしい」のひと言に尽きる。
メイザ・リーク
米国のジャズシンガーである。
スティービーワンダーのバックコーラスを務めたこともある本格派だが、
彼女のアルバムは、どれを聴いてもとてもお洒落なのだ。
まずは一曲聴いて欲しい。
本家であるマイケルジャクソンも素晴らしいが、筆者的にはメイザ・リークの
I Can’t Help It
の方がしっくりくる。
このアルバムには、
スティービーワンダーの
Feel The Fire
(アルバム名にもなっている)も収められるなど、聴き応えのある作品になっている。
絵画のような短編を読みたい
洒落たコーヒーブレークには、一杯のコーヒーで読み切れる短編小説を読みたい。
それも、絵画を思わせるような短編であれば、なお良い。
村上春樹の短編も素晴らしいのだが、
ここでは敢えて文学的ではなく、写実的な作品を紹介したい。
筆者は、雑誌「ザ・ニューヨーカー」黄金時代の誌面を飾った米国人作家の作品をよく読む。
「ライ麦畑でつかまえて」
のJ.D.サリンジャーを16~17才頃に読んでからと記憶している。
いわゆる、「ザ・ニューヨーカー」つながりである。
中でもお気に入りの作家は、アーウィン・ショーだ。
彼の短編
「夏服を着た女たち」
は、まるで良質の絵画を観ているかのような感覚を覚えるとてもお洒落な短編だ。
重くなく、深くもなく、淡々と進む視覚的な描写が実に良い。
コーヒーブレークには、うってつけの作品と言って良いだろう。
同タイトルの短編集に収められているので、
まだご存じない方は、ぜひ一度手に取ってみてはいかがだろう?
さて、
今回は、コーヒーのお供にお勧めな歌姫と一冊の短編集を紹介したが、
コーヒーブレーク時の演出に役立てて頂ければ幸いである。