エチオピア/イルガチェフェ・ゲルセイウォッシュ

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エチオピア/イルガチェフェのクロップ紹介です。

このイルガチェフェとは、

世界中のコーヒー通に愛されているスペシャルティコーヒーの生産地の名称です。

ところで、エチオピア産のコーヒー豆は、

イエメンのモカ港から世界に送り出されていたことから、

イエメン産のコーヒー豆と共に、一般には「モカ」と呼ばれます。

中でも、コーヒー栽培が盛んなシダモ地方のクロップを特に「モカ・シダモ」と呼びます。

イルガチェフェは、そのシダモに隣接した地域にあります。

さて、大量流通するコーヒー豆のブランドとしては「モカ・シダモ」が有名ですが、

今回紹介するイルガチェフェは、

スペシャルティコーヒーのトップブランドです。

つまり、

イルガチェフェ = 最高品質のスペシャルティコーヒー

として認知されているわけです。

エチオピア

エチオピア正教会の建物
首都アジス・アベバのエチオピア正教会

エチオピアは歴史の古い国であり、

その起源は、一説によると紀元前10世紀頃まで遡れるそうです。

あの旧約聖書に登場するヘブライ王国のソロモン王に知恵比べを挑んだシバの女王が

治めていた領域の一部が現在のエチオピアとされています。

そのシバの女王とソロモン王の間に誕生した王子の血脈が、代々王国を治めていたという

神話を持つ由緒ある国なのです。

そうした背景も関係してか、古くからユダヤ教やキリスト教が根付いていたようです。

エチオピア北部にある世界遺産のゴンダールの城
世界遺産のゴンダールの城 17~18世紀のエチオピア王が築城
コーヒーの伝説

コーヒーにまつわる伝説も、古くは9世紀のカルディ少年の話が有名です。

ヤギ飼いのカルディ少年が、興奮して飛び跳ねるヤギのことを修道士に相談したところ、

ヤギが食べていた赤い実(=コーヒーチェリー)が原因であることが分かり、

その後は、修道院で眠気覚ましとして用いることになったというお話です。

コーヒーの起源に関する逸話の一つなのですが、

EJ的には、その頃のエチオピアにはすでに修道院があったことの方に興味が湧きます。

良くも悪くも、コーヒーとキリスト教は関係が深いのです。

それはまた、コーヒー伝播の歴史が、侵略の歴史であることを示しています。

香辛料と同様に、コーヒーも「金のなる木」だったことが容易に想像できますね。

エチオピアの一般的な民家
首都近郊にある一般的な庶民の住居

イルガチェフェのクロップ紹介

さて、今回のクロップは、



エチオピア/イルガチェフェ/ゲルセイ ウォッシュです。

エチオピア/イルガチェフェのゲルセイウォッシュの生豆
クロップデータ
 生産地 エチオピア南部 ゲデオ地方 イルガチェフェ・ゲルセイ村
 精製法 ウォッシュド
 品種 在来種
 標高 2,100~2,250m
 生産者 ゲルセイ村の小農家さん
 規格 G1
 サイズ 16up
 乾燥法 アフリカンベッド+天日乾燥

海ノ向こうコーヒーより

フレーバー

<焙煎度/浅煎>

・酸味 ☆☆☆☆

・甘味 ☆☆

・苦味 ☆

・コク ☆

・香り ☆☆☆

明るいシトラス系の酸味が味わえます。

また、チェリーやピーチのようなフルーティーな香味も楽しめます。

一方で、ナチュラル製法に比べると華やかさには欠けますが、後味の良さはバツグンのクロップです。

精製法

精製法はウォッシュドです。

ゲルセイ村のウォッシングステーション
ウォッシングステーションでの水洗の様子
乾燥法

乾燥法は、アフリカンベッドと天日乾燥です。

ゲルセイ村のアフリカンベッドによる乾燥工程
アフリカンベッドによる乾燥工程
規格

規格は、最高グレードのG1です。

ところで、エチオピアのグレードは、欠点豆の数で決まるのですが、

G1規格は、生豆300グラム中の欠点豆数が0~3粒以内であることを表します。

お勧めの焙煎度

焙煎度は、浅煎から中煎までがお勧めです。

もちろん、フローラルかつフルーティなイルガチェフェらしさを味わいたいなら、

迷わず浅煎をチョイスしましょう。

以前にポッドキャストの「10min.cafe」にて

イルガチェフェ/ハルスケナチュラルを紹介しましたが、

イルガチェフェに関しては、

ナチュラルもウォッシュドも甲乙つけがたいクロップになります。

また、イルガチェフェは比較的手に入れやすい豆ですから、

精製法が異なるものや、生産者ごとのフレーバーの違いを試すのには良いかもしれません。