コーヒーフレーバーって何だ?

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通常「コーヒーフレーバー」と聞くと、

大抵の方は、コーヒーの香りや味がする「食品香料」を思い浮かべるのではなかろうか?

しかし、ここに言う「コーヒーフレーバー」は、

フレーバーという言葉の持つ本来の意味合いで使用している。

コーヒーフレーバーとは

フレーバーは、日本語で表すなら「香味」や「風味」のことである。

そもそもコーヒーフレーバーは、

コーヒーを味わうことによって感じる香りや味、

それに舌触りや喉越しなどの感覚を総合的に表している言葉なのだ。

つまり、ある飲み手の

「とても美味しいコーヒーだ」

という感想に対応する言葉とも言える。

もちろん、

この例えは「不味いコーヒーだ」

でも構わない。

一杯のコーヒーを味わい、

飲み手の感想は、そのフレーバーから受けた総合的な印象として語られることになる。

コーヒーフレーバーは中身が大切

当然、「美味しいコーヒー」や「不味いコーヒー」という表現だけでも十分ではある。

しかし、他人に伝えたい場合などには、

「どのように美味しいのか?」

また、「どのように不味いのか?」

を伝えなければならない。

この「どのように」の部分に当たるのが、コーヒーフレーバーを構成する中身というわけだ。

日本では、コーヒーフレーバーを次のように細分化することが多い。

①香り

②酸味

③甘み

④苦味

⑤コク

特に決まりがあるわけではない。

もともと口に含んだ際の香りや味、舌触りや喉越しといった感覚を表現するためのものである。

とは言え、自家焙煎店などでは、

上記の5項目をベースに、豆のフレーバー情報としてチャート形式で表現するのが一般的だ。

さらに、各要素を言葉で表現するとなると、

「どのような

・香り

・酸味

・甘み

・苦味

・コク

を感じるのか?」

を伝えなければならない。

フレーバー表現の基本形

ところで、上記の「どのような」に当たる部分には基本形がある。

その基本を押さえることが、実はコーヒーフレーバーを表現する一番の近道なのだ。

また、表現には、ポジティブとネガティブがあるのだが、

今回は、ポジティブな表現の基本形を紹介してみたい。

◎香り

香りの代表と言えば「花」である。

a) このコーヒーはとても香りが良い。

b) このコーヒーを一口含むと、フローラルな香りが喉から鼻に抜ける。

いかがだろう?

a) の単に「香りが良い」より、

b) の「フローラルな香り」と表現した方が、「どのように」の部分を補完していないだろうか?

さらに花には色々な種類がある。

例えばゲイシャ種の場合、

「一口含むと、ゲイシャ特有のジャスミンの香りが喉から鼻に抜ける」

とゲイシャ種の持つ香りの特長を表現した方が、

よりゲイシャというコーヒーをイメージしやすくなるというものだ。

◎酸味

続いては酸味だが、

酸味は、コーヒーにとって最も重要な要素であることを初めに断っておきたい。

なぜなら、スペシャルティコーヒーの醍醐味は、

正にこの酸味を味わうことにあるからだ。

さて、酸味の代表は「フルーツ」である。

ただし、フルーツには酸の違いがある。

基本は、

・ベリー系

・柑橘(シトラス)系

・その他、チェリーやザクロ、マスカットに青りんごなど

で表現することが多い。

また、フルーツは、酸味だけではなく甘みを伴うため、

酸味と甘みの両方を表現するのにも好都合なのだ。

後の「甘み」と「苦味」、それに「コク」も同様に考えればよい。

甘みはフルーツ以外に、

感じるならバニラやハチミツ、メイプルシロップやキャラメルなどを基に表現する。

苦味は、マウスフィールを絡めて「強・弱」を主に表現するとよい。

コクは、舌触りや喉越しについて表現するのだが、ワインのボディ感などを代用することもある。

オリジンごとのコーヒーフレーバーを楽しむ

スペシャルティコーヒーを味わう愉しみは、

品種やオリジンごとに異なるフレーバーを愉しむことに他ならない。

したがって、自分一人で愉しむ場合においても、

その銘柄のコーヒーフレーバーを記録に残しておくことをお勧めしたい。

そうした習慣を持つと、不思議と

品種やプロセス(=精製法)によるフレーバーの違いが分かるようになってくる。

いわゆる「違いがわかる人」になるのだ。

ところで筆者は、このコーヒーフレーバーを独自の波形としてデータ化している。

フレーバーを波形で捉えることにより、

理想的な波形をデザイニングすることが可能になった。

その1つが「極 KIWAMI」波形である。

もちろん最初にお伝えした通り、フレーバーはその人の感覚でしかない。

ポイントは、筆者の好みの波形ではなく、理想的な波形という点だ。

客観的に他人が美味しいと感じやすい波形を目指してデザインしたものだ。

当然のことながら、シングルオリジンの1クロップだけで、

その波形に近づくことはまずない。

そのため、「極 KIWAMI」は、ブレンドコーヒーとなる。

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また、「極 KIWAMI」のフレーバーハーモニーが実現したのも、

銘柄ごと、

それもローストレベルごとに毎回フレーバーの記録を取り、

そのフレーバーを波形データとして採取していたからこそである。

このように、シングルオリジンのコーヒーフレーバーを知ることは、

ブレンドコーヒーを愉しむ際にも大いに役立つのである。