ジャズギターの音色とコーヒーの相性はとても良い。
当然、そのような感想を持つ筆者は、根っからのジャズ好きである。
そして、珈琲人にはなぜかそのジャズ好きが多い。
ところが、「それはどうして?」
と素朴に尋ねられると、答に窮する。
「どうしてですかねぇ…?」
などと曖昧に答え、後は笑ってごまかすしかない。
さて、今回は、
素敵なジャズギターの音色とコーヒーについて綴ってみたいと思う。
ジャズギターは夏の音色?
ところで、ジャズギターと言っても、
筆者が普段より愛聴しているのは、スムースジャズのギターである。
そもそもスムースジャズというジャンルは、
耳に心地の良い、長時間聴いていても疲れないジャズミュージックなのだ。
もちろん、演奏する楽器は、
ピアノ・サックス・トランペット・ギター・ベースなど、モダンジャズと変わることはない。
中でもギターは、筆者にとってなぜか夏の音色に属している。
こちらも「どうして?」
と聞かれても、適当な答えは見つからない。
ただ、ホットで飲むにしろ、アイスで飲むにしろ、
クーラーのよく効いた部屋でコーヒーを愉しむ際に流れている印象が強い。
おそらく、過去にそのような場面で深く印象を刻んだせいだと思われるが、
今となってはハッキリとしない。
ケン・ナヴァロのギターには、イルガチェフェが映える
皆さんは、Ken Navarro(ケン・ナヴァロ)というアーティストをご存知だろうか?
主にアコースティック・ギターで演奏するジャズギターの名手である。
彼独自の世界観を表現する音色が、
スムースジャズファンの心を鷲づかみにしているアーティストの一人である。
まずは一曲、彼のジャズギターの音色を聴いていただきたい。
1997年リリースの「Smooth Sensation」というアルバムに収められた
「Kiss Of Life」という楽曲である。
Spotify(スポティファイ)のFreeプラン(無料プラン)に登録しさえすれば、
すべて無料で聴くことができる。
ぜひ、こちらの曲も聴いていただきたい。
2004年リリースアルバム「Love Coloured Soul」に収められた
「You Are Everything」だ。
ところで、筆者は彼の奏でるギターの音色を聴くと、
決まってイルガチェフェのフレーバーを味わいたくなる衝動に駆られる。
イルガチェフェとは、
レギュラーコーヒーの故郷であるエチオピアが世界に誇るコーヒー豆の生産地であり、
かつ、昨今のスペシャルティコーヒーの魁となったブランドの名称でもある。
このケン・ナヴァロのギターの音色に、
イルガチェフェのフレーバーは、不思議なほど映えるのだ。
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スティーブ・オリバーには、中米産のクロップが良く似合う
続いて紹介するのは、スティーブ・オリバーだ。
先のケン・ナヴァロとは、また違った感性を持つジャズ・ギターリストの一人である。
筆者は、1999年にリリースされたファーストアルバム「First View」より
ずっと彼の奏でるギターに聴き惚れ続けている。
まずはこの曲を聴いて欲しい。
初期の代表作「West End」である。
もちろん彼も、筆者が自身を持ってお勧めするジャズギターの名手だ。
この「West End」には、
・パナマレリダ農園のパカマラウォッシュ
あるいは、
・グアテマラオーロラ農園のカトウーラウォッシュド
あたりのフレーバーがピッタリくるように思う。
いずれにしても、スティーヴ・オリバーのギターの音色は、
中米産クロップのフレーバーが良く似合う。
このように珈琲人は、
耳に馴染んだ音色とコーヒーのフレーバーを巧みに結びつけることができる。
ただし、その感性は、十人十色であることは云うまでもない。
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ジャズギターで忘れてはならないアーティストたち
スムースジャズ界には、ギターの名手がキラ星のごとく存在する。
その中でも、筆者が愛して止まないアーティストをあと数名紹介してみたい。
◎NILS(ニルス)
NILSのカッティングはとにかく格好が良い。
なお、筆者がNILSを聴く際は、コスタリカまたはホンジュラスのクロップをチョイスことが多い。
◎James Gabriano(ジェームス・カブリアーノ)
アコースティック・ギターを駆使する名手である。
次の曲は、2001年にリリースされたファーストアルバムに収められている名曲だ。
◎Tim Bowman(ティム・ボウマン)
筆者より3歳年上のデトロイト生まれのジャズ・ギタリストだ。
洗練された彼のジャズギターの音色には、エクアドルのクロップがマッチする。
コンポーザーでもある彼のアルバムは、どれも完成度が高い。
◎Chukc Loeb(チャック・ローブ)
2017年に61歳の若さで亡くなったチャック・ローブも忘れてはならない。
なお、今回はヴォーカル曲を敢えて紹介する。
◎Blake Aaron(ブレーク・アーロン)
ウェス・モンゴメリーの感性を受け継いだ彼のスタイルは、実にクールなのである。
まだまだ他にも紹介したいジャズ・ギターリストは沢山いるのだが、
今回はここまでとしたい。
なお、筆者のジャズとの出会いについては、
「コーヒーとジャズの日々」をご覧いただければ幸いである。